COLUMN — AI入門

建設業の事務、AIに任せきれるのは
「型がある仕事」

内装金物の施工をしている私たちの会社で、400件の領収書処理が月3時間→20分になりました。この実例で、建設業の事務のうちAIに任せやすい仕事と、人が最終判断すべき仕事の違いを見ていきます。
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建設業の事務で、AIに任せやすい仕事

建設業の事務作業のうち、AIに任せやすいのは「型が決まっている仕事」です。私たちが実際に自動化した2つの業務で見てみます。
領収書仕分け
領収書の処理は、日付・金額・取引先を読み取り、決められたルールに沿って仕分ける作業です。「読み取る項目」と「仕分けの基準」が決まっているため、AIによる効率化と相性がよい業務です。

いずれも、2026年1月から6月まで自社で計測した実績です。400件(法人332件+個人事業68件)の領収書を自動処理し、月あたり約3時間かかっていた作業が約20分になりました。法人分と個人事業分の領収書が混在していても、カード番号をもとに自動で判別し、人が分け直す手間を減らしています。
新規入場書類の作成
現場に新しい作業員が入るたびに必要な書類。氏名や資格情報などを一度登録すれば、同じ内容を複数の書類へ反映できます。同じ情報を何度も転記する作業なので、これも「型がある仕事」です。毎回のゼロからの書き起こしが無くなり、書類一式の作成が短時間で揃います。
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領収書仕分け、工程別の内訳

では、領収書仕分けのどの工程が変わったのか。自動化前後の作業時間の内訳を比べます。

BEFORE — 月 約3時間 180min AFTER — 月 約20分 20min
BEFORE — 手作業
月 約3時間
  • 紙の整理・確認 — 30分
  • 日付・金額の読み取り — 40分
  • 勘定科目の判断(12科目) — 30分
  • 個人/法人の切り分け — 20分
  • フォルダ格納・リネーム — 20分
  • 税理士への受け渡し準備 — 15分
  • 差し戻し対応 — 15分
AFTER — 自動化
月 約20分
  • スキャン — 7分
  • AI処理 — 0分(待つだけ・作業なし)
  • 結果の確認・承認 — 10分
  • 税理士への受け渡し — 0分(常に同期)
  • 差し戻し対応 — 3分

AIの処理中は人の作業は発生しません。ただし、仕分け結果は人が確認し、承認する工程を残しています——完全放置の自動化ではなく、最後は人が承認する設計です。詳細は導入事例ページもご覧ください。

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AIに最終判断まで任せない方がよい仕事

一方、AIから判断材料や文案を出すことはできても、最終判断を任せきれない仕事もあります。
  • 値引き交渉 — 相手の反応を見ながらその場で判断する仕事
  • 天候に応じた工程変更 — 天気情報の整理にはAIを使えても、安全性や職人の配置まで含めた最終判断は現場側に残ります
  • お客さんとの信頼関係づくり — 一度きりの正解がない、積み重ねの仕事
これらに共通するのは、毎回条件が変わり、責任を伴う判断が必要なことです。型がない仕事でもAIを補助には使えますが、判断そのものを任せきる仕事ではありません。
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最初の1業務の選び方

最初に自動化する仕事は、「毎月繰り返す」「転記が多い」「ルールが決まっている」の3点で探せます。こうした型のある作業から始める方が、効果を確認しやすく、現場にも定着させやすくなります。

新規入場書類の作成は、現在フォーム入力から書類一式を自動生成する仕組みを提供しています。見積書・請求書の自動作成は、現在、先行モニター企業と検証を進めており、まだ一般提供前です。そのため、本記事の実績数字には含めていません。こちらも、各社で決まっている作成ルールを整理するところから進めています。

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まとめ

建設業の事務を効率化するなら、最初からすべてをAIに任せる必要はありません。毎月繰り返し、転記が多く、ルールが決まっている仕事を一つ選ぶ。そこが最初の候補です。

次回は、この判断軸をさらに具体的にした「AIが向いている業務・向いていない業務の見分け方」を、3つの軸の表でお伝えします。

関連記事: AIが向いている業務・向いていない業務の見分け方建設業のAI導入、最初の1業務はどう選ぶ?コラム一覧へ

NY

中芝 悠太

営業 / 現場代表

内装金物の職人として現場に立ちながら、昼は現場・夜はAI。自社の事務を約9割削減した実体験から、このチームを立ち上げた。現場の話が通じる窓口担当。

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