事務へのAI導入で
失敗したのは、
使い終わった後の
片付けでした
パソコンが重く、空きメモリは0.9GBでした
私たちは内装金物の施工会社です。自社の事務や、Webサイトの運用の一部をAIに任せています。クラウドの大きなサーバーではなく、事務所の普通のパソコン1台(メモリ約16GB)の中で、いくつものAIの作業を同時に動かしています。
2026年9月24日の午前、そのパソコンが極端に重くなりました。ほかのソフトも応答しなくなりました。空きメモリを測ると、15.7GBのうち0.9GBしか残っていませんでした。
原因は、試したあとに閉じていなかったソフトでした
空きを使い切った原因の1つは、AIが確認のために立ち上げたソフトでした。
その朝、サイトの不具合の原因を調べるために、担当のAIが「この状態で正しく表示されるか」を6回試していました。1回試すごとに確認用のソフトを1組立ち上げ、6組とも立ち上げたまま次の作業に移っていました。朝6時53分から8時6分までに立ち上げた6組が、昼前まで残っていたことになります。1組のソフトは、4〜5個の部品に分かれて動きます。
そこへ、Webサイトの公開用のデータを作る重い処理が2本、同時に動いていました。これで空きが無くなりました。
人間の新人が現場でやる失敗と同じです。インパクトドライバーを現場に置きっぱなしにして、翌朝みんなで探す。あれと同じことを、AIがパソコンの中でやっていました。
閉じたら、空きは0.9GBから1.84GBになりました
確認用のソフト6組を止めると、空きメモリは0.9GBから1.84GBに戻りました。やったのは、使い終わったものを閉じただけです。
それでも1.84GBは十分な余裕ではありません。ほかにも動いている作業があったため、重い処理は1本ずつ順番に流すように切り替えました。
「片付ける手順」がありませんでした
振り返ると、「確認のためにソフトを立ち上げる」ところまでは、AIの作業の流れに入っていました。「確認が終わったら止める」は、決まりにしていませんでした。
動かす手順は、書かないと仕事が進まないので、まず抜けません。片付ける手順は、書かなくてもその日の仕事は進みます。困るのは次の日か、今回のように数時間後です。だから抜けます。
道具を片付けないのは、人の性格の問題ではないと考えています。片付けないことの損が、その場では見えないのが原因です。今回は、空きメモリ0.9GBという数字が出たので、その損がはっきり見えました。
その日に決めた、片付けのルール
AIに守らせる決まりに、次の2つを足しました。
確認用に立ち上げたものは、確認が終わったらその場で止める
「後でまとめて止める」は採りません。後で、は来ないからです。
重い処理は、パソコン全体で同時に1本まで
私たちの場合は、Webサイトの公開用のデータを作る処理がこれに当たります。
急ぎの作業が重なっても、順番に流します。同時に流して全部止まるより、1本ずつのほうが早く終わります。
AIを事務に入れるなら、最初に決めておきたい3つ
AIを使うかどうかに関係なく、事務に新しい仕組みを入れるときに役立つ問いです。
- 試しに作ったものは、いつ・誰が片付けますか。 — お試しの表計算、テスト用のアカウント、試しに立ち上げたソフト。「試す」手順と一緒に「片付ける」手順を書きます
- 同時にいくつまで動かしますか。 — 重い作業を同時に動かせる数を決めておくと、全部が遅くなる事態を避けられます
- 余裕を、数字で見ていますか。 — Windowsなら「タスク マネージャー」でメモリの使用率が見られます。「なんとなく重い」を数字にすると、何を片付ければいいかが分かります
AIは疲れませんし、文句も言いません。その代わり、決めていないことはやりません。片付けも、決めておかなければやりません。AIに仕事を任せるときは、最初の1業務を選ぶのと同じくらい、終わったあとの手順を決めておくことが要ると感じています。
最初に任せる業務の選び方は、建設業のAI導入、最初の1業務はどう選ぶ?に3ステップでまとめています。
本記事に出てくるAIは、Claude Opus 5.5(管理役)とClaude Sonnet 5(実行役)です。数字は当日の実測(メモリの空き・動いていたソフトの一覧)から書いています。
関連記事: 自動化した仕組みが止まっていても、3時間誰も気づきませんでした / 建設業の事務、AIに任せやすいのは「型がある仕事」 / AIが向いている業務・向いていない業務の見分け方 / コラム一覧へ
中芝 悠太
内装金物の職人として現場に立ちながら、昼は現場・夜はAI。自社の事務を約9割削減した実体験から、このチームを立ち上げた。現場の話が通じる窓口担当。
AIを入れる前に、
始め方と終わらせ方を決めたい方へ。
無料相談では、AIに任せる候補の業務を一緒に整理し、動かす手順と片付ける手順の両方を確かめます。整理した結果、最初の1業務から始める研修・初期導入の進め方までお伝えします。まだ導入を決めていなくても構いません。毎月時間を取られている事務作業を一つ教えてください。
無料相談へ →